今回は「Adobe Photoshop Lightroom CC」で人物写真をトーンカーブを使って調整する方法について解説することにします。トーンカーブを使うことでも、明るさやコントラスト、色について調整することができます。
こちらは Lightroom CC 2015 について解説しています。最新の Lightroom Classic についての解説はこちらへどうぞ⇒https://lightroom.websvr.org/raw/lightroom-classic-tone-curve/
※今回は現像モジュールを利用することにします。
「Lightroom CCで人物写真をトーンカーブを使って調整する方法」
1.トーンカーブとは?
まず、トーンカーブとは何か?について確認してみましょう。
トーンカーブとは、画像の明るさやコントラストといった諧調と、RGBのそれぞれの信号を調整することで色の調整も可能なツールです。Lightroomにおけるトーンカーブのパネルは下記になります。
このパネルのグラフ上で、横軸は画像の入力(元の明るさ)で、縦軸は出力(変更後の明るさ)となります。初期状態では、入力と出力が同じなので45度に傾いた直線になります。この線をクリックすることでポイントを決めて、そのポイントの入力を上に移動(明るく)するか、下に移動(暗くする)かして、線を変形させることで、それぞれの輝度ポイントの階調を調整することになります。RGBの信号をまとめて調整することで、画像の明るさ、コントラスト等を調整し、R、G、Bの信号をそれぞれ別々に調整することで、色の調整が出来ます。
Lightroomでは、チャンネル「RGB」のところをクリックすることで、各信号だけに変更することができます。
ワンポイントアドバイス:
Lightroomでは、赤丸の部分をクリックすることで、範囲スライダー機能に切り替えて調整をすることができます。調整する範囲を決めての調整が可能となるので、基本のトーンカーブ調整が難しいと感じるようでしたら、利用してみても良いかもしれませんが、私はあまり使いません。
2.トーンカーブの編集方法①(トーンカーブの基本操作)
まずは、トーンカーブ調整の基本的な操作方法について、確認してみましょう。
RGBチャンネルを一度に変更し、明るさやコントラストの変化をみてみましょう。
変更方法ですが、グラフ上でマウスをドラッグしてみてください。
線の上にポイントがマークされ、マウス操作に伴って、グラフに曲線ができ、それに伴って写真が変化することでしょう。
元に戻したいときは、作成されたポイントをパネル外へドラッグするか、トーンカーブ上の右クリックメニューから「カーブを統合」を選択してください。
ワンポイントアドバイス:
Lightroomでは、調整(補正)の前後で、変化を見比べながらの調整ができます。
画面上の写真の下部にある「Y|Y」マークをクリックすることで、
比較しながら作業ができる画面に切り替わります。クリックするたびに、比較方法が変わるので、好みな状態で利用してみてください。私は、左右に並べて比較するのが好きですね。今回は、左右に並べて比較しながら変化をみてみることにしましょう。
①トーンカーブを上にドラッグ
トーンカーブを上にドラッグすると明るくなります。
RGBチャンネルでの移動は全色輝度の移動、上に移動は明るい方向への移動なので、グラフが上へ移動するにつれて写真も明るくなります。ヒストグラムも明るい方向へ信号値が多い部分が移動します。
②トーンカーブを下にドラッグ
トーンカーブを下にドラッグすると暗くなります。
RGBチャンネルでの移動は全色輝度の移動、下に移動は暗い方向への移動なので、グラフが下へ移動するにつれて写真は暗くなります。ヒストグラムも暗い方向へ信号値が多い部分が移動します。
③トーンカーブの2点間の傾きを急に(あるいは緩やかに)
今度は、トーンカーブ上に2点のポイントを作成しましょう。ライン上で2回クリックしてください。トーンカーブに編集ポイントが2点作成されます。
低い方のポイントを下へ(暗く)、高い方を上へ(明るく)移動し、トーンカーブの傾き(ガンマ)を強くしてみてください。そうすると、写真のコントラストが強くなります。
逆に、低い方のポイントを上へ(明るく)、高い方を下へ(暗く)移動し、トーンカーブの傾き(ガンマ)を緩くしてみてください。そうすると、写真のコントラストが弱くなります。
④ハイライト、中間調、シャドウでわけて諧調を整える
トーンカーブ上に複数のポイントを設置することで、一部分の諧調を変化させることができます。例えば、シャドウ部分のみより暗くコントラストを強くする場合は、下記のようにすることになります。
トー ンカーブ上に複数のポイントを設置し、ハイライト、中間(ライト、ダーク)、シャドウに分けて、その諧調をどうしたいのか、コントラストを立ててつぶして しまうのか、なだらかに諧調を残すのか、微妙な変化をさせて、本当にイメージしている絵へと作り上げてみてください。
ワンポイントアドバイス:
諧調をあえて、反転させてみたことありますか?トーンカーブ調整ではそういったことも簡単に行えるんです。ハイライトとシャドウのポイントをそれぞれ上と下に動かして、トーンカーブを反転させてあげると、ネガポジ反転になります。
⑤黒つぶれと白飛びについて
さて、上記①②③④の基本操作を行った際に気づかれたでしょうか?ヒストグラムの最も明るい部分、最も暗い部分は移動しません。トーンカーブの上下によ る、明るさの変更では、最大と最少は移動しないということに注目です。つまり、黒つぶれと白飛びを起こしにくいと言うこともできるかもしれませんね。
もちろん、あえて移動させたい場合は、最大と最小のポイントを持って移動すると、動かすことができます。下記では最大のポイントを持って左に移動させています。
白飛びさせることができますね。
以上が基本的なトーンカーブの使い方です。トーンカーブ調整は写真の変化をみながら、各輝度ポイントごとに好きな明るさに変更できる機能ということです。
さて、次は応用で、RGBチャンネルではなく、各色(レッド、グリーン、ブルー)のそれぞれのチャンネルでトーンカーブ調整をした場合どうなるかをみてみましょう。
3.トーンカーブの編集方法②(各色チャンネルでのトーンカーブ調整)
それでは、RGBチャンネルをクリックして、各色に切り替えて変化をみてみましょう。
①レッドでの変化
レッドを強めると赤に、弱めるとシアンに色が変化します。
②グリーンでの変化
グリーンを強めると緑に、弱めるとマゼンタに色が変化します。
③ブルーでの変化
ブルーを強めると青に、弱めるとイエローに色が変化します。
以上を組み合わせて、カラーバランスを調整することができます。トーンカーブ調整では、ハイライト部分だけを調整したいといったこともできるので、緻密なカラー調整ができます。ただし、トーンカーブ調整のみでカラーバランス調整を行うことは、あまりお勧めではありません。各色で各輝度ごとに調整するので、色温度調整のように、直観的に色を調整することが難しいのです。色温度調整、色かぶり補正をして、ほんの少しまだマゼンタにかぶっているから、少しだけグリーンを強くしたいときとかに、使うと良いと思います。
トーンカーブ調整は、慣れるまではとっつきにくいと感じるかもしれませんが、慣れてしまえば便利なツールなので、とりあえず触っていろいろ試してみてくださいね。
ところで、今回のサンプルですが、白背景での撮影で、思っていたより少し露出が足りません。それに、もう少しコントラストをつけたい。また、ほんの少しマゼンタ被り及びレッド被りしているようです。そこを調整してみましょう。
ということで、完成です。
今回の画像サンプルのモデルさんのお写真はこちらです。
「Mayoさんとコスプレ」すーぱーそに子【ソニコミ】Lovely Cosplay Photos of Japanese Woman – Lovely Photo Gallery
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